ランドセルのお手入れ方法を詳しく解説~ヌメ革~

革製品の中でもファンの多いヌメ革。最近はヌメ革を使用したランドセルもラインナップされるようになってきました。

ヌメ革に興味はあるけれど、お手入れが難しそう
お手入れが大変なヌメ革のランドセル、親子でできるお手入れ方法が知りたい!

そんな不安や希望にお答えして、今回はヌメ革の知識とお手入れ方法をご紹介します!

目次

そもそもヌメ革って何?

ヌメ革とは、牛革を植物性のタンニンという成分で鞣(なめ)した革のことを言います。

まず「鞣す」という言葉について説明しましょう。「鞣す」とは本来であれば腐敗したり、硬くなる皮膚をなめし材により、素材として使用できるように安定させる工程を言います。漢字で書くと「革」を「柔らかく」する、そのままの素晴らしい技術ですね。

なめし剤の代表はタンニンとクロムが有名で、二つを合わせた「コンビなめし」と言われるものもあります。その他にも油、アルデヒドなども使用されています。

どんな特徴があるの?

ヌメ革製品は、伸縮性が小さく堅牢といった特徴があります。また表面仕上げを行わないのも特徴です。もともとの皮膚の状態で仕上がるので怪我の後、虫刺されなどの動物が生きていたころの痕跡がそのまま残ることがあるのです。そのためヌメ革は一つ一つの個体差を楽しむにはうってつけの革と言えるでしょう。

ヌメ革の長所

まずはヌメ革の魅力ともいえる長所についてご紹介しましょう。

まずは何といってもヌメ革独自の風合いでしょう。他の革製品では出せないヌメ革独自の魅力があります。ヌメ革のランドセルはほとんどのお店がキャメルしか取り扱いがありませんが、その風合いは牛革や人口皮革では絶対に出せません。手に取ってみるとファンが多いのも納得できることでしょう。

つぎに丈夫で長持ちすることです。ランドセルにとっては必須条件と言えるでしょう。他の商品と比較してお手入れに手間がかかるため、取り扱いのお店は多くありませんがランドセルとして使用するには十分なスペックです。

最後に経年劣化もみすぼらしくないことをあげましょう。革製品は使用していくうちに味が出るのが特徴ですが、中でもヌメ革はヴィンテージ感が唯一無二の魅力です。色の変化が楽しめるのも特徴と言えるでしょう。

ヌメ革の短所

残念ならヌメ革の短所は決して少なくありません。特徴でも述べている表面仕上げ=コーティングを行わないことによってさまざまな短所がでてくるのです。

一つ目は、高価であること。天然素材を使用し、表面仕上げを行わないことから個体本来の革の状態が露呈しやすいため、いわゆる「美肌」の革を厳選するとなると必然的に価格は上がってしまいます。

二つ目は傷がつきやすいこと。コーティングをしていないということは外力からの刺激を直に受けてしまいます。家具や爪に少しあたっただけでも傷となってしまうため、「できるだけ購入時に近い状態のまま使用したい!」と考えている場合は、残念ながらヌメ革はあきらめた方が良いでしょう。

三つ目は水濡れに弱いことです。これもコーティングを施していないことが原因ですが、小ぶりの雨でさえもシミの原因となってしまうのです。

短所を知ってしまうと、子供が使うランドセルにヌメ革は不適切なのか?と気分が落ちてしまいますが、傷や水濡れにかんしては裏を返せばメリットにもなり得ます。

「汚れてもシミができても、それは我が子とランドセルが共に過ごした証」と開き直ってしまえば、丈夫なヌメ革ですから6年間しっかりと役割を果たしてくれるでしょう。

ただし、次に紹介するお手入れはしっかりしてくださいね!

ヌメ革のお手入れ

ヌメ革の特徴を知ったところでお手入れについて説明していきましょう。お手入れ方法を知ってしまえば、以外に抵抗がなくなるかもしれませんよ!

お手入れに必要なグッズ

ブラシ

表面の汚れを落とすのに効果的なブラッシング用のブラシです。ヌメ革の傷になりにくい馬毛のブラシがオススメです。

皮革用クリームもしくはオイル

 

皮革用保護製品には種類が様々あります。どれを使えばいいかわからない場合は、ランドセルを購入した店舗に問い合わせると良いでしょう。ここではクリームとオイルについてご紹介します。

クリームの特徴:適度な水分と油分を補給する。革を柔らかくし、艶出し・傷の保護効果もあります。塗り方や量を間違えてしまうと極端なシミができてしまうので注意が必要です。

オイルの特徴:クリームと似てる非なるものがオイルです。成分のほとんどが油のため最大の特徴は撥水効果があることです。もちろんクリーム同様に艶出しや栄養補給効果もあります。

防水スプレー

オイルを塗っていたとしても日々使うランドセルでは、防水効果が不十分なため防水スプレーは必要です。必ず革製品用、できればヌメ革用のスプレーを選びましょう。

柔らかい布

クリームやオイルを塗りこむための布です。使い捨てになるため、ハギレでもOKです。

またブラシがない場合、汚れのふき取りに使用することもできます。

お手入れの頻度

ブラッシング、汚れのふき取り・・・できるだけ毎日

ブラッシング+防水スプレー・・・12週間に1

クリームもしくはオイルを使ったメンテナンス・・・12か月に1

お手入れの具体的な方法

  1. ランドセルでブラッシング、汚れのふき取りをする。
  2. 布を指に巻き付け、クリームやオイルをつけて小さな円から大きな円を描くように広げながら塗り込んでいく。傷ができている部分は、強めに塗り込む。クリームやオイルの量の多さは関係ないので塗りすぎには注意が必要です。塗りすぎてしまった場合はすぐに乾いた布で拭きとれば後に影響しません。
  3. 換気の良い場所で、防水スプレーを吹きかける。防水スプレーを吹きかけるコツは、20㎝~30㎝離れたところから全体的にむらなく吹きかけること。自身がない場合は、練習しておくことをオススメします!また初めての時は、目立たない箇所に狭い面積だけ防水スプレーを吹きかけ、乾いたときにしみにならないことを確認しましょう。
  4. 30分以上十分乾かし、少し水滴を垂らして撥水効果を確認する。

水濡れしたときの対応

水濡れしてしまうと乾いたときに目立つ水シミになってしまいます。それも味の一つかもしれませんが、気になる場合のお手入れ方法です。素早く対処するのが何よりのポイント!

  1. 水がしみている部分と同じぐらいの色になるくらいまで、革になじませるように水拭きする。
  2. 乾いたタオルでたたくように乾拭きし、水気を飛ばす。
  3. 日陰で風通しの良い場所で乾かす。
  4. 十分に乾かした後、オイルを塗る。

ヌメ革ランドセルの保管場所

ランドセルの保管場所は通気性が良く、温度の変化が少ないところがベストです。直射日光が当たるところも変色・変形の原因となり得るのでお薦めしません。

子供ができるお手入れ

防水スプレーの使用やメンテナンスはグッズの使用のタイミングや量が難しく、大人でも慣れるまでは時間がかかるでしょう。高学年になれば自分でしてもらうと良いですが、それまでの子ができるお手入れとしては毎日のブラッシングや乾拭きです。

毎日5分でもランドセルのお手入れをすることで、物を大切に扱う心を育てることにもつながります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

ヌメ革のランドセルは手間がかかりますが、その分革の魅力を十分に知ることができ、また愛着がわくこと間違いなしです。慣れてしまえばお手入れも苦にならないでしょう。

魅力がたくさんのヌメ革ランドセルもぜひ選択肢に入れてください!

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